遠距離恋愛（仗助）１

あと35日と12時間であなたに会える。

アメリカに戻っている承太郎さんに、『来月帰国する』とメールをもらった。

それからというもの、俺の時間に対する感覚が変わっちまったんだ。

ふと気が付くと「承太郎さんに会えるまで」の日数と時間を数えている。

数え始めたときが、39日と17時間だった。

 

（まだまだだな～・・・）

 

思わず、はーとため息をつくとオフクロに「何よ辛気臭いわねぇ」と毒づかれる。

心配してくれているのは分かっているのでほっとけー、とかるく返して。

それから一緒にテレビ見て、適当な所で風呂に入って。

 

全裸でシャワーを浴びてるときにまた承太郎さんの事思い出して。

思わず承太郎さん、と小さく声に出して名前を呼んでしまう。

今ココにいるわけじゃねえのに。何で？

かぁっ、と耳が熱くなって、そうなるともう、止まらない。

ごまかそうとしてドボン、と音を立ててバスタブに飛び込んでみても、

いないはずの承太郎さんの存在がますますリアルに浮き上がってきて。

自分の妄想だって、分かっちゃいるんだけど。

だめだ、離れない。

長い腕が、がっしりした肩や胸が、硬い腹筋がその汗が体温が。

呼ばれるだけで死にそうになるくらいの甘く低い声が。

スイッチ入った時のギラギラした獣みたいな瞳が。

その瞳で迫られるといつも、ああ俺食われちまう、って思うんだ。

 

抱かれてぇ、早く。承太郎さんに、会いてぇ。

承太郎さん、早く帰ってきてくださいッス・・・